東京から富士山へ どの方角へ行き、どう向かうか

2026年9月18日

富士山は、入口がひとつだけの観光地ではありません。周囲に町が点在する大きな山であり、方角によって見える姿も向かい方も変わります。最初に方角を選び違えることが、行ってみて物足りなく感じる原因になります。

まず方角を決め、それから行き方を決める

どうやって行くかを先に考えがちですが、先に決めるべきはどちら側へ行くかです。主な三つの方角で、過ごし方が大きく変わります。

河口湖 湖の側

山の全体が湖に映る、絵葉書のような眺めが得られる側です。湖の周りには展望台へ上がるロープウェイ、季節ごとの花畑、赤い五重塔と富士山を一緒に収められる新倉山浅間公園があります。初めて訪れ、象徴的な一枚を残したい場合はこちら側が向いています。

箱根 温泉の側

富士山は河口湖より遠く、全体を見渡すというかたちにはなりません。その代わりに、温泉、芦ノ湖の遊覧船、硫黄の煙が上がる大涌谷を越えるロープウェイ、野外の美術館があります。山を眺める以外にも過ごし方がほしい場合に向いています。

御殿場 買い物の側

国内最大級のアウトレットがあり、晴れた日には敷地内から富士山が見えます。買い物と眺めを一日でまとめたい場合に向いていますが、山を見ることが目的であれば、先の二つより平凡な眺めになります。

三つの行き方と、それぞれに向く方

次の表は時間と自由度で比べたものです。料金は単位が異なり、時期によっても変わるため含めていません。

項目高速バス鉄道ドライバー付き貸切車
東京からの所要 河口湖まで約2時間。渋滞がない場合 乗り換えを含めて約2時間から2時間半 約2時間。出発時刻は自由に決められます
乗り換え 不要。新宿から終点まで一本です 1回から2回必要です 不要
当日の自由度 低い。予約した便で戻ることになります 中程度。夕方以降は本数が少なくなります 高い。当日に行き先を変えられます
湖の周りを複数回る 現地でさらに路線バスの乗り継ぎが必要です 現地でさらに路線バスの乗り継ぎが必要です 続けて回れます。待ち時間がありません
荷物 トランクに預けられますが、一日持ち歩くことになります 最も不便です。コインロッカーを探す必要があります 車内に置いたままにできます
向いている方 一、二名で、一か所だけ見て戻る方 鉄道の乗り放題の券をお持ちで、時間に余裕のある方 ご家族、大人数、お子様やご年配の方と一緒、複数か所を回りたい方

表に表れないこともあります。新宿からの高速バスは最も利用が多く、休日、特に紅葉や花の時期は早く満席になります。窓口で当日に買うのではなく、事前のご予約をおすすめします。鉄道は思ったほど直通ではなく、大月で富士急行線に乗り換えることになり、この路線は本数が多くありません。

東京から日帰りする場合 往復の移動で合計4時間ほどを見ておくと、現地で使える時間は6時間ほどになります。河口湖か箱根のどちらか一方には足りますが、両方は回れません。

朝7時ごろに東京を出て、17時ごろに戻る配分がちょうどよくなります。これより遅いと、帰りの渋滞に重なり、光のあるうちに撮影を終えられません。

赤い鳥居が立つ芦ノ湖と、背後に見える富士山
箱根の芦ノ湖。晴れた日は湖の向こうに富士山が見えます(写真 Charlie fong / CC BY-SA 4.0)

富士山が見えやすいのはいつか

先にお伝えしておくと、富士山は毎日見えるわけではありません。雲に隠れることは思われている以上に多く、その日に見えるかどうかは誰にも保証できません。

できることは、季節を選ぶことです。12月から2月は一年で最も空気が乾いて澄む時期で、山頂まで見える日がほかの季節よりはっきり多くなります。雪をかぶった姿が最も美しい時期でもあります。逆に夏は湿度が高く、午後にはほぼ毎日雲が湧くため、最も見えにくい季節です。

時間帯も同じくらい効きます。日が高くなる前の早朝が最も澄んでおり、昼に近づくにつれて山頂の周りに雲が出てきます。撮影が目的であれば、9時前に展望地へ着いておきたいところです。

曇ってしまった日にもできることはあります。箱根側には温泉と美術館があり、河口湖側には古い家並みを再現した西湖いやしの里根場や湖畔の喫茶店があります。屋内の控えを用意しておけば、その日が無駄になりません。

山のどこまで上がれるか

登山をしない場合でも、車で五合目まで上がれます。標高のおよそ中ほどにあたり、売店と、下の湖を見下ろす展望場所があります。歩かずに近づける最も高い地点です。

ただし、五合目へ上がる道は冬季は雪のため閉鎖され、登山の期間には通行を制限する措置もあります。ご計画の前に、その時期に道が開いているかご確認ください。閉鎖されていても、湖の周りの展望地は通年で楽しめます。

富士山の美しい撮影地は湖の周囲に点在し、それぞれ別の方角にあります。地域の路線バスは本数が少なく、循環する経路のため、車があれば光の具合に合わせてすぐ移動できます。雲が切れたり出たりする日には、これが大きく効きます。

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