箱根をひと回り 登山電車、ロープウェイ、芦ノ湖の遊覧船

2026年9月18日

箱根はひとつの場所ではなく、温泉地が点在する広い火山地帯です。ほかの温泉地と違うのは、移動そのものが楽しみの一部になっていることです。異なる乗り物を乗り継いでぐるりとひと回りする回り方が知られています。

ひと回りの順路

この回り方はどちらの向きでも成り立ちますが、下でご紹介するのは多くの方がとる向きです。都心からの列車が着く駅から始めます。

箱根湯本 入口の温泉街

箱根で最も標高の低い、古くからの温泉街です。駅前の通りには土産物店と菓子店が並びます。宿泊しない方は、一日の終わりにここへ戻って日帰り入浴をするという過ごし方もあります。

登山電車で強羅へ

急な斜面を、進行方向を何度も変えながら上っていく小さな電車です。途中で停車し、後ろ向きに上っていきます。6月中旬から7月中旬は沿線にあじさいが咲き、この路線が最も美しい時期になります。

途中には野外の美術館があります。山を背にした広い芝生に彫刻が並びます。美術がお好きであれば、1時間ほど見ておくとよいでしょう。

ロープウェイで大涌谷へ

強羅からケーブルカーで早雲山へ上がり、ロープウェイに乗り換えます。大涌谷の上を越える区間がこの行程の見どころです。眼下では地面から硫黄を含む蒸気が噴き出しています。晴れた日には、その向こうに富士山が見えます。

大涌谷といえば黒たまごです。温泉池でゆでられ、殻が黒くなります。ひとつ食べると寿命が7年延びると言われています。

うっすら雪の残る地面から硫黄の蒸気が上がる大涌谷
地面から蒸気が上がる大涌谷(写真 そらみみ / CC BY-SA 3.0)

芦ノ湖の遊覧船

ロープウェイは芦ノ湖の湖畔で終わります。そこから海賊船を模した遊覧船に乗り、湖の南側へ渡ります。所要は30分ほどです。上の甲板に出ると、湖を囲む山々がよく見えます。

赤い鳥居が立つ芦ノ湖と、背後に見える富士山
芦ノ湖と富士山。水際の赤い鳥居が箱根神社です(写真 Charlie fong / CC BY-SA 4.0)

箱根神社でひと回りを終える

湖のほとりの森の中にある古い社です。多くの方が撮影に訪れるのは、水の中に立つ赤い鳥居です。順番に並んで撮るかたちになり、休日は1時間ほど待つこともあります。待ちたくない場合は、着岸する遊覧船から、または鳥居と背後の森が入る湖岸の横からも撮影できます。

芦ノ湖の水面に立つ箱根神社の赤い鳥居
水中に立つ箱根神社の鳥居(写真 Guilhem Vellut / CC BY 2.0)

ロープウェイが止まっているとき

箱根は今も活動している火山です。火山ガスの濃度が上がると大涌谷の区間は運休し、強風や天候不良でも止まります。多くはその日になってわかるため、予定していたひと回りが途中で切れてしまいます。

その場合も一日を諦める必要はありません。ロープウェイの区間を道路で迂回し、残りはそのまま回れます。野外の美術館、芦ノ湖の遊覧船、箱根神社はいずれも通常どおりです。出発前の朝にロープウェイの運行情報を確認しておくと安心です。

使える時間できること
半日ひと回りの半分を選びます。芦ノ湖と箱根神社、または登山電車と美術館
日帰り朝に出発し、各所で長く留まらなければひと回りできます
一泊ゆとりをもってひと回りでき、夜は旅館の湯に入れます。箱根を訪れる一番の理由でもあります
緑の山を背に芦ノ湖を進む色鮮やかな海賊船
芦ノ湖の海賊船(写真 Celuici / CC BY-SA 3.0)

このひと回りは、手ぶらで動くことを前提にした行程です。大きな荷物がある場合は、あらかじめ宿へ配送するか、預ける場所を確保してください。乗り継ぎが多いためです。ご年配の方やお子様と一緒の場合は、車で移動して見たい場所だけを回り、遊覧船やロープウェイは区間を選んで乗る方が多くいらっしゃいます。

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